「Nexus7でPlayブックスの電子書籍を読んでみる」「ついでにPlayブックスアプリとAndroid版Kindleアプリを簡単に比較してみる」

さて、先日、日本版Kindleのサービス開始に合わせて、日本版Kindleストアの書籍取り扱いラインナップを調べてみたり、実際にNexus7でKindle版の電子書籍を読んでみたりしたんですが、そもそもNexus7といえばGoogle様の端末ですので、電子書籍の分野でも「Playブックス」というサービスが提供されているわけです。

というわけで、今回は「Nexus7でPlayブックスの電子書籍を読んでみる」「ついでにPlayブックスアプリとAndroid版Kindleアプリの機能を簡単に比較してみる」をやってみました。

と、いっても、そもそもPlayブックス、どの程度の書籍取り扱いがあるのかもわからない。

Playストアに行ってチェックしてみても、ジャンル分けもイマイチなら検索性も良くないというコトで、正直言って、「本を探して買う」という部分には相当改善の余地があると言いますか、まだまだ何も始まっていない位のレベルかな、と。

Playブックストア

Kindleストアの書籍数や検索性がそこそこ優れているのと比較すると、かなり貧弱な感じ。

ただし、取り扱いラインナップを見ていて、「Kindleストアには無くてPlayブックスにはある」ジャンルに気がつきました。

それは「雑誌」や「ムック的な、写真を多用したような書籍」というジャンルです。

「あたらしい書斎」の2ページ、カラー写真
「あたらしい書斎」の3ページ、カラー写真

挿絵的な写真も、液晶画面の端末の方がマッチしますね。

「あたらしい書斎」の写真のあるページ1
「あたらしい書斎」の写真のあるページ2

KindleはそもそもがE ink端末をベースにしたサービス(当然、iOS端末やAndroid端末もあるわけで、それだけじゃ無いんですが)なだけに、このジャンルはKindleストアとしてはまだあまり展開できていないのに対して、Playストアにはこういったジャンルの書籍が結構あります。

こういうジャンルの本って、何度もじっくりと読むようなものではないので、「タブレット端末などで電子書籍を読む」というスタイルと、意外と親和性が高いような気もしますね。

ま、そこら辺を踏まえたとしても、現段階ではAmazonに一日の長があると言わざるを得ないでしょう(一日どころか千日くらいの差があります)。

電子書籍の世界が今後どうなっていくのか正直言って僕には全然わかりませんが、何となくのイメージでは

(1)購入手続き面でのメリット
(2)コスト面でのメリット
(3)読書に関する機能、利便性でのメリット

という三つのメリットを、サービスやアプリの機能としてどのように実現していくかがポイントになるのかな、と。

(1)の「購入手続き面でのメリット」には、上記に書いたようなWeb上のストアでの書籍の検索性のようなものや、そもそもの書籍の取り扱いラインナップ、取り扱い数なども含まれてくると思うんですが、現段階では(1)は完全にAmazonのKindleストアに軍配が上がっている状態です。

今後の電子書籍業界の発展のためにも、Google様にも是非頑張っていただいて、お互いが良きライバルになれるような状態を作り上げてくれると嬉しいんですけれどね。

続きまして(2)の「コスト面でのメリット」です。

Kindleストアでは、ものによって開きがあるんですが、大体平均すると紙の書籍よりも10%前後安くKindle版書籍が提供されているのかな、と。

それに対してPlayブックスはどうなのか、と言いますと、細かい値はよくわかりませんが、Playブックスでも同様に、紙の書籍よりも10%前後安く電子書籍が販売されている様です。

ココらへんは、どちらがどうというよりも、著作者や出版社との契約の問題になるんでしょうから(多少の違いはあるかもしれませんが)、どちらのサービスでも同じように価格的なメリットを享受することができるのかな、と。

ちなみに、今回Playブックスで購入する一冊目として選定したのは、「あたらしい書斎」という本。

紙版の書籍が1,500円で販売されているのに対して、Playブックスでは952円で販売されています。

「あたらしい書斎」の紙の書籍
「あたらしい書斎」のGoogleブックスの購入画面

実に36.5%ものディスカウントなわけですが、これは「Playブックスの優位性」というよりは「電子書籍の優位性」という事なのかな、と思います(恐らくKindleストアで取り扱いが開始されたとしたら、同じような価格設定になるのかな、と)。

ま、何にせよ、電子書籍版は紙版よりもある程度は安くなる、という方向のようなので、読み手としては嬉しい限りです。

で、最後に(3)の「読書に関する機能、利便性でのメリット」です。

これはもう非常に簡単で、「全然ダメ」ですね。

全然ダメです。Playブックスも全然ダメですが、Kindleも全然ダメです。

どちらも同じくらい。

といっても、本自体は普通に読めるわけで、「読書するのに害がある」というわけでは無いんですが、「電子書籍ならではのプラスアルファ」が全くといって良いほど無いです。

「あたらしい書斎」のテキスト読書画面

簡単に機能を見ていくと、

目次的にチャプターを参照する機能があります。これはKindleには無いので、Playブックスの方が、貧弱ながらも一応優れていると言えますかね…。

Playブックスの章メニュー

それから、書籍内を検索する機能もありますね。同じくKindleにはありません。

Playブックスで書籍内を検索1
Playブックスで書籍内を検索2

こんなの、出来て当たり前だと思うんですけれど…。

何故Kindleにはこの機能が無いんでしょうか?

ま、程なく追加されるとは思いますけれど…。

逆に、Kindleには、マーカーを引いたりメモを付与したりする機能がありますね。

Kindleの読書画面ハイライトとメモ
Kindleのブックマークとメモ付与

これも、せっかく電子書籍なんだから「出来て当たり前」な気がするんですが、Playブックスではできません。

アホじゃぁ無いかと思うんですが…。

特許とか、そういったものが絡んでるんですかね…?

だとしたら、クロスライセンスするなり開放するなりして、どのサービスでも同じようにできるようにして欲しいものです…。

「シェア」的な機能も、正直言って何がしたいのかよくわかりません…。

Playブックスの場合、こんな感じのサービス経由で「シェア」ができます。

Playブックスの共有機能一覧

でも、シェアできる内容が、「Playストア内の電子書籍のページのURL」ですよ…?

Playブックスの共有機能Gmail

そんなもん、誰が誰にシェアしたいのかっ!!!つー話ですよ…。

Kindleの場合も、こんな感じで、シェアに使えるサービスは同じなんですが、

Kindleの「進捗をシェアする」機能

シェアできる内容が、コレですよ…。

2012-10-30 22.29.12

こんなもん、誰が誰にシェアしたいのよっ!!!つー話ですね…。

ホント、「お前らヤル気あんのか?」と…。

そーじゃないと思うんですよね…。

例えば、本文の中で感銘を受けた「良さ気な一文」とか、そういうところに、自分なりのコメントを付与して履歴というか記録として残しておいたりしたいわけじゃ無いですか。

んで、それを後々検索かけて読み返してみたり、技術系や学術系の書籍なら、必要な際に検索して簡単に記述箇所を発見できたりしたら便利なわけじゃ無いですか。

で、場合によってはそういったものこそを、本文記述含めてセットで人にシェアしたりしたいわけじゃ無いですか。

そういう部分から新しくその本に出会う人がいたり、新しい本の読み方とかそういうモノも生まれてくるのかな、と。

電子書籍のサービスをやろう、というんだから、「どうやったら本がもっと魅力的で楽しくなるか」「どうやったら書籍や出版の世界が更に良く発展していけるか」的なところに、もっとパワーを割いて欲しいと思うんですけどね…。

ま、とは言え、まだまだサービスは始まったばかりなわけで、批判ばかりしていてはイカンとも思うわけです。

今後に大いに期待したいと思います!

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