というわけで、行ってまいりました、深セン。
深センへは、早朝6:40羽田発のキャセイ便で現地時間昼前くらいに香港入りし、空港から高速鉄道と地下鉄(MTR)を乗り継いで、香港と中国の国境の街、羅湖(Lo Wu)へ、というルートで行きました。
空港と市街を結ぶ高速鉄道はゆったり座れて快適です。
空港-香港/中環間の往復で205香港ドル。1香港ドル14.5円換算で3,000円弱といったところ。この距離を快適に移動できて片道1,500円は、めちゃ安というわけではないですが、まあ納得の料金かなと。
チケットはこんな感じ。
上が高速鉄道の往復券、下がMTRの券です。
これ以外に、「オクトパスカード」という、日本でいうSuicaやPasmo的なチャージ式のICカード(全交通機関、コンビニ、ファーストフード、スーパーマーケットなどで使えて便利)や、旅行者向けの24H乗り放題券(65香港ドル≒950円くらい)、空港往復+72H乗り放題券(350香港ドル≒5,000円くらい)などがあります。
僕は今回、香港にはほとんど滞在しない予定なので普通の券を購入しましたが、香港に数日滞在する場合には、用途に応じてどれかを選んで購入するのがいいと思います。こういう便利で安いチケットがあるあたりは、なんとなくイギリスの地下鉄に似た感じ、ありますかね(といっても、最後にイギリスに行ったのは確かもう20年以上前だから、今もそうなのかはわかりませんが)。
ちなみにですが、中国側の地下鉄の券はこんな感じ。
樹脂製のコインの中に非接触型のICチップが入っています。息子がお土産に欲しがってたけれど、お土産分を買い忘れてしまいました(セキュリティ対策で指紋を消させていただいております)。
旅行中の通信手段については、事前に日本のAmazonで、China Unicomの2GBのデータ通信用SIMを購入してあったので、飛行機の中で差し替えておきました(SIMスロットを開けるためのクリップか安全ピンを持っていくのを忘れずに。僕は忘れてしまったので、キャセイのキャビンアテンダントさんに、ネームプレートを借りて、裏の安全ピンでSIMスロットを開けました)。
2GB×2枚セットで2,000円くらい。2GBあれば、2泊3日くらいは十分カバーできます。僕の場合、日中帯は普通に検索とかで使って、夜、暇な時間にちょっとYouTubeみたり(こういうタイプのデータ通信SIMはどれも問題なく金盾越えられます)、LINE電話で家族と会話したりして、2泊3日で2GBちょうど使い切りというくらいでした。
使い方も、APNを”3gnet”にするだけでそのままいきなり使えますし、香港から中国に入ったときも、ローミングをオンにするだけでそのまま何も設定せずに使い続けられます。これで1枚千円はかなりおトク感あるのではないかと(念の為2枚セットで買っておいて、もう1枚はお守り&次回用という感じで)。
ちなみにですが、ホテルのWiFiは無料で使えるものが多いと思いますが、Google系は検索もメールもYouTubeとかKeepとかのアプリも全滅ですし、LINEも使えません。MicrosoftのAzureも当然のようにNGでした。ということで、Baiduで何か検索する以外は、基本、何にも使えない感じです。
深センに向かう前に、行きがけに軽く香港市街、中環(Central)と旺角(Mong Kok)周辺をチェック。
まずは香港の中心地、中環へ。
地下鉄の中の風景はこんな感じです。日本の地下鉄と言われてもわからないかも。違いは網棚がないことくらいでしょうか。
中環市街。ともかく人が多い。平日の昼間なのに、皆さんいったいどこから来てどこへ行くのか、というくらいにぞろぞろぞろぞろと、際限なく大量の人が行き来してます。
休日のアメ横か、ハロウィンパーティのときの表参道か、人通りの多いときの銀座のホコ天くらいの感じ。
さすが中国、といっても香港なわけですが、面積1,100平方kmの香港に人口740万人くらいの人が暮らしているとされていまして、これを人口密度でみてみると6,500人/平方kmという数字。対して、東京都は面積約2,190平方kmに1,380万人、人口密度6,310人/平方kmという数字で、香港のほうが人口密度が高いわけです。まあ、23区だけに限っていうと、面積619平方kmの中に964万人、人口密度15,386人/平方kmという数字になりますから、さすがにそれよりは低いですけれど、香港には仕事や観光で訪れる人も多いでしょうし、そういう意味では、住んでいる「人口」以上の人がいる都市、という側面もありますから、人通りの多さにびっくりするのも当たり前でしょうかね。
そして、ビルの間が狭すぎ。
何かの間違いで1本倒れたら、連鎖的に5本くらい一気に倒れそうな感じ。火事とかあったら一気に燃え広がりそうな…。
日本も、昔ながらの雑居ビルとかはかなり密集して建っている印象はありますが、大手町とかの高層ビルは、ちゃんと間をあけて建てられてますよね。建築基準法で厳しく規制される日本の感覚からすると、びっくりです。
歴史を感じさせられる古い町並と、そこにどんどんと加わっていく新しいビル群のミックス。独特の風情があって素敵です。
今回の旅、Insta360 ONE X、大活躍でした。手ブレも完全に抑えてくれるし、アングルも後から選択することもできるので、手持ちしながら適当に歩くだけで旅の動画が簡単に撮影できちゃいます。このカメラ、マジですべての人にオススメです。
続きまして、旺角へ移動。ファッションや雑貨のお店、電気店などが多数あるエリアです。
裏道を入っていったところの半屋台みたいな麺処で昼飯を食べました。
オーダーは、こういうオーダーシートが用意されてます。
えー、正直いいまして、
まったくわかりませぬ。
麺+トッピンク3種で36元で、トッピング追加が一品7元ってことかなぁ…って感じ?
猪皮(小辣)→なんか、豚系の辛いやつ?
歯水翼尖→食べられんの?
牛丸→食べられそう。
豆卜→なんかの道具ぽい。
こういうときは、翻訳アプリでございます。
MicroSoftさんの”Translator”というアプリでこの写真を読ませますと、こんな感じに翻訳してくださいます。
これでも、
猪皮(小辣)→ピッグスキン(小スパイシー)
歯水翼尖→塩水の翼の先端
牛丸→牛丸
豆卜→ビーンBU
と、なんだかよくわからない状況にあまり変わりはありませんが、
なーんだ、俺の解釈、大体あってんじゃん。
と思えるだけで、人間結構安心できちゃうものです。
海藻とか、オムレツ、キノコとか、水イカ、ランチミート、チーズの腸など、わかった(&わかったような気になれる)ものも結構ありますしね。ブタ大腸とか赤腸、秘密のフェニックスの爪あたりは、もう少し元気いっぱいなときにまたチャレンジしてみたいと思います。
で、結局食べたのはこちら。さつま揚げみたいなのを2種類と、ゆで卵をトッピングしました。麺はラーメンっぽい、太からず細からずの縮れ麺。ツユはさっぱり系の甘じょっぱい感じ。
ツユのせいもあるんでしょうが、ラーメンというよりは、どちらかというと、和風の麺類を、少し脂っぽいこってり系に寄せていったような、そんな感じの食べ物でした。
実はこのとき、携帯のバッテリ残が5〜6%くらい。「まずいな〜」と思いながら、「ま、中国入国からホテルまでのルートは、飯食いながら、紙に書き写せばいいか」と思って、昼飯の写真を撮っていたら…。
バッテリ切れで、唐突にシャットダウン…。
ちょっと…。待って…。まだ5%あるっていうから、情報書き写してないんですけど…。このあとのルートとか、ホテルの最寄駅とか、一切わかんないんですけど…。
つーか、そもそもホテル名もわかんないんですが。全情報All携帯の中なもので。Googleマップがあるから地図も持ってないし、はっきり言って地下鉄の駅だってどっちに行けばいいのかわからんですよ(これは適当にウロウロしてれば見つけられたとは思いますが)。
と、結構、絶体絶命感一杯で途方にくれてました。
とりあえずどこかで携帯を充電するしかない、と思って、近所の比較的きれい目なニセXiaomi携帯&家電のお店に入って、どこか、携帯を充電できるとこがないか聞いてみると、
「セブンイレブンでできるよ」
と。
な~んだ。さすが香港、セブンで携帯充電できるんだ。心配して損しちゃいましたよ。
喜び勇んでセブンに行ったんですが、店内くまなく探しても、携帯の充電器らしきものは見当たりませんぬ…。
恐る恐る、店員さんに英語で尋ねてみると、
「携帯なんか、ここで充電できるわけないでしょ。何言っちゃってんのアンタ(中国語なので、ほんとにそう言っていたかは不明ですが…)」
ガーン……。
で、では、アテクシはどうしたらいいのでしょうか…。次の一手が思いつかん。こういうときはとりあえず、個人商店だな。個人商店なら頼めばコンセント貸しくれるかもしれないし。でも個人商店のおっさんおばさんは、あんま英語が通じないな…。どうしたらいいかな…。
と、思いながらうろうろしているときに発見したのがこちら。
携帯修理店が数十店入居する3階建てのビル、先達広場です。秋葉原駅前のラジオ会館風な感じの、広さ1坪2坪くらいの小さな個人商店がぎっしりと入居するビル。
何だかちょっと、いい予感♡
と思いながら、おもむろにビルに突入し、中をウロウロ。
意を決して、このビルの中の、1階一番奥にあった明豊手機(手机)修理中央(Ming Phone Repair Centre)というお店のあんちゃん2人組に相談したら、携帯を充電してくれました。20香港ドル取られましたけどね。300円くらい。結構高い。でも背に腹は変えられませんから、この際よしとしました。
充電している間に、3階の別のお店でモバイルバッテリを購入。
Xiaomiのマークが入ってますが、パチもん臭いような気も…。
5,000mAhで88香港ドル。1200円くらいでしょうか。このときのアテクシの置かれていたシチュエーションも加味しますと、そこそこいい買い物だったのではないかと思います。このモバイルバッテリは、このあとの丸2日間、出先における携帯&Insta360 ONE Xの充電に、ものすごく役に立ってくれました。
お店のお姉さんに事情を話してお願いして、携帯の充電が終わるまで、モバイルバッテリの方も充電しておいてもらうことにしました(後で調べたところ、マクドナルドなら、コンセントがあって充電出来たらしいです。マックはそこそこあちこちにあった気がするので、携帯が充電切れしたらマックを探せばよかったんですね)。
ちなみにこの先達広場、後で調べてみたら、とても有名な携帯修理専門店のあつまるビルだったようで。
ということで、ここで1時間くらい足止めを喰らいましたが、携帯も30%くらいは充電でき、モバイルバッテリも手に入れ(5,000mAhの半分くらいはチャージされてます)、再び深センに向かって移動開始。
だんだん夕方に近くになってきて、ちょっと気持ちが焦ってきます。だって、夜遅くとかに中国国境越えるのとか、なんかちょっと不安じゃないですか…。見知らぬ街に夜到着してウロウロするのもちょっとアレですし…。
旺角駅からMTRの観塘線に乗って、九龍塘(Kowloon Tong)駅で東鉄線に乗り換え。
羅湖の5個手前の大埔墟(Tai Po Market)という駅の風景。設備は整っているけれど、利用客はあまりいません。田舎な感じ。日本でも、地方の特急列車の駅とか、結構こんな感じですよね。
深センからは、越境して香港の学校に通う小中高生もたくさんいるらしく、電車の中でちらほら姿を見かけました。
国境周辺のエリアは、こんな感じの自然あふれる風景です。
電車の中や外などの、このなんとなくのどかな雰囲気の感じの風景を見ていたら、焦る気持ちもだんだん和らいできました。
国境の街、羅湖駅に到着。
昼の時間に越境していた地元の人たちが、大量に戻ってくる時間だったようです。
ビジター側のサイドに進みます。
入国審査の前に、指紋を登録(撮影禁止エリアだったので写真がありません)。入国カードを書いて、入国審査の列に並びます。
審査では特に何も聞かれることもなく、パスポートをチェックされて、指紋をまた取られて(さっきも取ったのに、なぜでしょう?)、無事中国へ入国。
香港で変えておいた香港ドルをここで元に変え直し、深セン地下鉄1号線(羅宝線)の崗廈駅(Gangxia)までの切符を買います。
なぜだか、電車に乗る前に、ここで再びX線ほかの荷物検査。最初は面食らいましたが、中国の地下鉄では入場時に必ず荷物検査があります。もしかすると、中国の少数民族のための自治区や、その周辺で起きている民族問題なんかが関係しているのかも。
切符は、先程もお見せした、こんなプラスチックのコインみたいなのです。
中に非接触ICが入っているらしく、これでゲートにタッチするとゲートが開きます。出るときには、コイン投入口にこれを入れます。
地下鉄の中の風景は、香港とほとんど変わりません。
もしかすると、香港の地下鉄よりも、こちらの深センの地下鉄のほうが、さらにきれいで近代的な感じかも。中国の中でも裕福な沿岸部の、現在もっとも勢いのあるエリアの一つということを考えると、当たり前といえば当たり前なのかも知れませんが。
そういえば、深センは現金だけでも十分生活できますが、あちらはWeChatのWeChatPayがものすごく普及していて、これが使えると何かと便利です。いまのところ日本の銀行口座とかクレジットカードからはチャージができないですが、羽田の国際線ターミナル到着ロビー2階にある「ポケットチェンジ」という機械からはチャージできます(中国では、日本のクレジットカードは、大きなホテルとか特別な場所以外ではほぼ100%使えません。ご注意を)。
※ポケットチェンジでのWeChatPayへのチャージの際に「9980308」のコードを入れていただくと、チャージのレートが2%良くなります。どうぞご活用ください。ポケットチェンジは、羽田空港だけじゃなくて、渋谷のMEGAドンキとか、新宿のH.I.Sの本社とか、池袋のサンシャイン60通りのBOOKOFFとか、関東でも都心部以外にもたくさんありますし、全国にもいろいろあるみたいです。
無事、崗廈駅について、駅の行き先案内板を確認。
本日の目的地、深セン温徳姆至尊酒店(Wyndham Grand Hotel Shenzhen)はC出口から出れば良いようです。アジア系で、こんな、駅の行き先案内板に表示されるようなホテルに泊まる旅は、はじめてかも。
ところで、「温徳姆至尊酒店」って、どこでどう区切ると”Wyndham Grand Hotel”になるか、パッと見ただけだとわかんないですよね。こういうことらしいです。
「温徳姆」→Wyndham(ウィンダム)の当て字。
「至尊」→最も尊い人、天子、皇帝、日本では天皇陛下の意。でGrand。単に、「大」をつけて、Grand、高級な、という意味としてしまうことも多い(大酒店とか、大飯店とか)。
「酒店」→ホテルの意。台湾や、中国でも80年代以前からあるホテルでは「飯店」と書くことも多い。宿泊してご飯を食べられることから「飯店」。単に泊まるだけでなく、お酒も飲んで、レジャー/リゾートとして楽しむこともできるから、「酒店」とアップグレードされてきたということらしい。ちなみに、台湾では「酒店」はちょっと違う系の施設として使われることもあるらしいです。
家を出てから12時間以上、香港についてからも、昼飯休憩以外6時間以上歩きっぱなしでしたから、結構疲れました。やっとついたな、暗くなる前にホテルにつけてよかったな、と思いながら、Googleマップを頼りに歩いていったんですが、なんか様子がおかしい。
Googleマップの指すホテルの場所が、なぜか、片側3車線の道同士が交差する、巨大交差点のど真ん中なんです…。
おっかしーなー、と思いながらも、とりあえずそこまでテクテクと歩いていったんですが、その交差点から周囲を見回しても、どう考えてもホテルがない…。
そうです、ここは中国。
Google様の力の及ばぬ場所なのです…。
Googleマップの指している場所は、ホテルの場所とは全然違う場所なのでした。
仕方ないので、ホテルの住所を調べて、漢字で一字一字打ち込んで、再度検索…。どうも、該当する住所はここから500mほど東、1ブロックくらい位置がずれている様子。
取りあえずそちらに向かって歩いていってみると、ビルとビルの間から、それらしきホテルが見えてきました。
このときばかりは、大きくて立派なホテルにしておいて良かったと、心底思いましたね。小さなローカルホテルで、夕暮れになってたら、多分本当にホテルにはたどり着けなかったと思います。まあ、そしたら、Baiduマップインストールして検索し直すか、最悪、どっか適当にそこらのホテルに飛び込んで泊まればよかったのかも知れませんが。
だんだん疲れも出てきたので、コカ・コーラ(可口可来)で栄養補給しながら。
ちなみにですが、深センは、ご覧のように超高層ビルの建ち並ぶ大都会ですが、このように片側3車線両側6車線の大きな道路にもかかわらず、道路脇にちゃんとした歩道が用意されていない、という強烈な作りの道が普通にたくさんあります。
みんな、この道の路肩をぞろぞろと徒歩で歩いたり、電動原チャリのおっさんとかは、平然と逆走していったりします。
中国、スゴいっす。
そのとき妻宛に送ったLINEです。
なんか、
「お前らなんか、轢いちゃっても別にいいんでしょ?」
的な運転をする高級車がビュンビュン走っていたような…。偏見でしょうか…。
途中、携帯の充電が切れたせいで、思いのほか遠回りさせられた気もしますが、やっとホテルに到着。
今回は2泊3日の弾丸旅行ということもあり、各種利便性を考えて、いい場所にあるいいホテルを選んだので、かつてない感じのラグジーな室内風景です(2年くらい前に家族で行ったカリフォルニアも、結構いいところに泊まりまくりではありましたが)。
24階のスーペリアのダブルの部屋で、一泊14,000円くらい。一人泊なので割高ですが、それでも、この部屋がこの値段というのは、日本の大都市圏に泊まることを考えたら安いです。
お風呂もこんなですから。
いつか家族も連れてきてみたいですが、深センよりは香港に行きたいとか言うんでしょうね。
部屋からの風景。
深センの街は、古い団地のような低層のビルがたくさんある中に、それを壊してどんどん高層ビルが建てられていくという、発展途上の国でよく見る感じの風景です。
荷物をおろして、冷蔵庫に入っていた青島ビールを飲みながら一休み。
引っ張って取り外すタイプのプルタブが懐かしい感じ。
初日から結構歩いたし、トラブルも多少あったので疲れました。
このあと、表に夕食を食べに行ったんですが、長くなったので、その話は次にしたいと思います。
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