電子書籍の台頭と大手出版社の動き

この週末、ほんとは死ぬほどやるべきことがあったのに
電子書籍のことで頭が一杯になってしまって困りました。

きっかけがどこら辺だったのか、数日前のことなのに
全然思い出せないんですが、多分こんな流れだったと思います。


スタート:kindle欲しいかな?と思う
nookいいなと思う
ピクチャ 3
B&Nのサイト訪問
trance world surfのdigital publish版発見
ピクチャ 1
→一冊100円以下の衝撃の安さに思わず購入
zinioリーダの快適さにやられる
→nookの購入を決断、手続き

※現段階ではnookではzinioのdigital publishは
読めません。読めるのはB&NのeBookやePUBでファイルを
ダウンロードしてnookに登録できるものとかです。
ご注意ください。
(しかも、日本からのB&NのeBook購入には一工夫必要です。)
ただし、B&Nのhelp boardには、
「B&Nのカスタマサポートの人が、
”nookはzinioと完全な互換性があって、準備ができたら
そのうち読めるようになるよ”と言った」という
書き込みがされていました。



そもそも、ずっと前から問題だと感じていたことに、
「ネット上のコンテンツの
(出版物や映画と比較した
相対的な)レベルの低さ」

と、それにもかかわらず、
「無料で手軽だから、
ネットの方に人が集まる」

というものがあります。


その結果、コンテンツとしては秀逸であるにも関わらず、
出版物はネットに押され、発行部数は落ち込み、広告媒体と
しても落ち込み、という状況になって来ているのが今の状態。

で、その状況を打破しうるものこそ、電子出版、eBookなはず、と
思うのですが・・・。


大手の出版社は、再販制度の維持とか、関連するたくさんの
方々の利益とか、色々と守らなければならないものがある様で、
簡単には受け入れられない様です。

出版社21社で「日本電子書籍出版社協会」というのを
設立するらしいですね。
規格を日本独自路線にしたり、再販制度みたいなものを
一生懸命維持しようとしたりするのだけはやめて
ほしいです。

新しい技術によって得られる利益というのは社会全体で
享受すべき利益な訳で、それを台無しにする様な行為は
犯罪に等しいです。


そもそも再販制度は独占禁止法に触れることを
例外的に認めているだけなわけで、出版物については、
「文化的水準の維持・向上の観点から」
認められているものだと思います。

その枠組みを形成する環境や技術が変化して来た以上、
再販制度自体も、適切な形に見直すことが必要でしょう。


「日本電子書籍出版社協会」設立に関しては、
成井秀樹さんの『なるいのDRM進化論』を、興味深く
読まさせていただきました。

最後の方に
>実はぼくは電子書籍について一般とは違った見方をしているのだが、
>これはまた別の機会に触れよう。
という記述があったんですが、どんなお考えをお持ちなのか
続きを読むのが楽しみです。


ちなみに、僕の考えはこんな感じです。
・出版物(や映画等)は、とても優れたコンテンツである。
ネット上にある無料のHPや動画など太刀打ちできない位。
・著作者、出版社や編集者というのは、この優れたコンテンツを
作り出すための能力、ノウハウを持っており、この点の
優位性やニーズは今後も崩れない。
・今、出版がやられているのは、ネット上のコンテンツが
無料で手軽(で速くてetc)、という点に負けてしまって
いるだけ。コンテンツとしての勝負であれば絶対に負けない。
(だけど、このままだったら滅びるかも。)
・その結果、広告媒体としての価値も下がり、じり貧状態。
(ネットにインプレッションを持って行かれている。)
・電子出版とeBookリーダの普及によって、出版物という
優れたコンテンツを、今の3分の1、4分の1の価格で、
しかも手軽に読者に届けることが出来るようになれば、
読者は戻ってくる。(もしかすると、コスト減の恩恵は
読者だけが利益を受けるのではなく、著者、出版社にも
配分しても良いかもしれません。)
・しかも、優れたコンテンツをネットと融合させることで
過去に類をみない素晴らしい広告媒体としても復活する。
・優れた本や映画が安価に、そして活発に流通することによって、
その国の文化や知識レベルは上がって行く。
素晴らしく社会に貢献する。


流通とか印刷とか、そういった部分に携わっている方には
とてつもなく厳しい話かと思うのですが、しかし、
環境の変化はどんな業界にも起きるものです。

そして、皆それを受け止めて、あるべき形に変化をして
対応していっていると思うんです。

出版だけ別よ、という訳には行かないと思うんですが
どうでしょう。

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